Megu Taniguchi,谷口めぐ
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新興企業を受け入れる市場のあり方も見直す。新規株式公開(IPO)する際の入り口としては2部、マザーズ、ジャスダックの3つが併存する。企業や投資家にとって差がわかりにくいため、スタートアップなど成長企業向けの市場としてマザーズとジャスダック・グロースを、実績のある中堅企業市場として2部とジャスダック・スタンダードを統合するなどして2つに再編することを検討する。
東証は「市場構造のあり方等に関する懇談会」(座長・神田秀樹学習院大院教授)を設けて、11月から議論してきた。年内にパブリックコメント(意見公募)をはじめ、来春をメドに報告書としてまとめる方針だ。
最大のテーマが主力の1部市場の位置づけだ。東証は企業数を絞り込むことを目的に、500億~1000億円の時価総額の基準を設けることを検討する。現行は20億円以上が条件で、1部に上がれば実質的に上場を維持できる仕組みになっていた。
20日終値をもとに計算すれば、東証1部企業は500億円以上なら約1000社に、1000億円以上なら約620社まで減少する。1部企業の数を減らす案と、1部の上にさらに上位の市場をつくるなど複数の候補から検討する。
日銀は10年にETF買いを決定し、現在の累計購入額は約22兆円にのぼる。運用目的で大量の日本株を保有する日本生命保険(18年の一般勘定で9兆円)、第一生命保険(同、3兆円)をはるかにしのぐほどの規模になっている。
一方、外国人はアベノミクス当初に日本株を積極に買い、累計買越額は15年には約20兆円に達した。だが、その後は売り越しに転じ、足元では10兆円弱に半減している。外国人による日本株売りを、日銀のETF買いで吸収するような構図になっている。
個人投資家は18年、925億円の売り越しとなっている。日本株の買い手は、企業の自社株買いが大半を占める事業法人(買越額2.5兆円)や投資信託(同1.1兆円)に限られる。
海外投資家は日本株の売買シェアの7割を占める。「目に見える物価の上昇や設備投資の増加など、経済政策の効果が表れること」(UBSのトゥルーラブ氏)が日本株を再び買う条件になるが、消費者物価指数などの経済統計は弱く予断を許さない状況だ。
東京証券取引所が20日発表した12月第2週(10~14日)の投資部門別売買動向で、海外投資家は1613億円の売り越しだった。18年の売越額は5兆円を超え、ブラックマンデー暴落があった1987年(7.1兆円)以来の規模になる。世界的な金融危機に見舞われた08年(3.7兆円)も上回る水準だ。
18年は、世界的に株安が進行した。ドイツ証券の柳沢正和氏は「リスク資産を手放して現金化する動きが広がり、日本株にも売りが波及した」と話す。
ここまで売りが膨らむのは「経済政策の停滞」という日本特有の悪材料があるからだ。安倍晋三政権発足当初、金融緩和、財政拡張、構造改革を進める「三本の矢」が打ち出されたが、外国人の期待が特に高かった構造改革がほとんど進んでいないことが嫌気されている。「投資家は政策の詳細や効果を見定めることができず、日本株を持つ理由を失っている」(UBS証券のキース・トゥルーラブ氏)
日銀による大規模なETF買いの副作用も出ている。アベノミクス前(12年11月第1週末)と比較すると日経平均は現時点でも2.3倍の水準を保つ。

